【獣医師監修】沖縄のペットに危険な有毒植物4選|症状と緊急対処法

2024.10.11

沖縄は一年中温暖な気候に恵まれ、自然豊かな環境が魅力です。県外ではあまり見かけない美しい植物もたくさんありますが、その中にはペットにとって危険な有毒植物も含まれています。

これらの植物に皮膚が触れたり、口にしてしまったりすると、中毒症状を引き起こし、最悪の場合命に関わることもあります。

今回は、沖縄でペットに危険な有毒植物と、緊急時の対処法についてご紹介します。

■目次
1.沖縄で見られる代表的な有毒植物4選
2.有毒植物による中毒症状
3.緊急時の対処法
4.予防策|ペットと植物の安全な共存
5.動物病院での治療|専門家の役割
6.まとめ

 

沖縄で見られる代表的な有毒植物4選

沖縄には豊かな自然が広がり、県外ではあまり見かけない植物も多く見られます。しかし、その中にはペットにとって危険な有毒植物も存在するため、十分な注意が必要です。

 

<キョウチクトウ>

沖縄ではミフクラギ(別名:オキナワキョウチクトウ)という名称が一般的です。
高さが3mほどの常緑低木で、葉は竹の葉のように細長く、白や赤の美しい花を咲かせます。果実は細長い袋状をしており、道路や公園、海岸近くに多く植えられています。
植物全体に毒が含まれており、誤って口にすると、ペットだけでなく人間にも危険です。

 

<ディフェンバキア>

葉に白い模様が入ったサトイモ科の植物で、主に観葉植物として親しまれています。ただし、この植物の樹液には「シュウ酸カルシウム」というトゲトゲした結晶が含まれており、皮膚や口の中の粘膜に触れると炎症を引き起こすことがあります。

 

<ポインセチア>

クリスマスシーズンによく見かけるポインセチアは、沖縄では庭木として人気があります。
ポインセチアの葉や樹液には「ホルボールエステル類」という有毒成分が含まれており、樹液に触れると皮膚炎を引き起こすことがあります。また、誤って食べてしまうと嘔吐や下痢などの消化器症状を引き起こすことがあります。

 

<ランタナ>

あじさいのように小さな花が集まって丸く咲く美しい植物です。「七変化」という別名がある通り、花の色が次々に変化していき、その美しい色合いから道路脇の花壇によく植えられています。
しかし、種子には「ランタニン」という有毒成分が含まれており、誤って食べてしまうと消化器症状や肝障害を引き起こし、重篤な場合は命に関わることもあるため注意が必要です。

 

有毒植物による中毒症状

ペットが有毒植物に触れたり食べたりすると、中毒症状はその植物に含まれる成分によってさまざまです。
軽い場合は皮膚炎や消化器症状を引き起こすことがありますが、重度になると神経症状が現れ、最悪の場合は命に関わることもあるため、早期発見と対処が重要です。

 

緊急時の対処法

もし、愛犬や愛猫が有毒植物に触れてしまった場合、まずは応急処置として、すぐに水でしっかりと洗い流しましょう。その後、すぐに動物病院を受診してください。

万が一誤って口にしてしまったら、まず口の中を確認しましょう。まだ口の中に残っている場合はすぐに取り出し、その後動物病院を受診してください。
すでに飲み込んでしまった場合は自己判断で応急処置をせず、すぐに動物病院に電話をし、指示を仰いでください。

中毒症状はすぐに出るものから時間をかけて症状が現れるものまでさまざまです。そのため、ご自宅では最低限の応急処置を行い、すぐに動物病院で緊急対応をしてもらうようにしましょう。

 

予防策|ペットと植物の安全な共存

沖縄で庭づくりを楽しむ際、ペットの安全を守るためには、植物がペットにとって毒性がないかを事前に確認し、有毒な植物は避けることが重要です。

もしすでに有毒な植物がご自宅にある場合は、ペットが入れない部屋に移動させたり、庭に柵を設置したりして、ペットが近づかないように管理をしっかり行いましょう。

また、ご自宅に植物がないからといって安心はできません。外出先にも危険な植物が潜んでいることがありますので、お散歩中はなるべく植物から離れて歩き、草むらに顔を突っ込む癖がある場合は、やめさせるように注意しましょう。

 

動物病院での治療|専門家の役割

有毒植物による中毒症状が見られた場合は、獣医師による専門的な診断や治療が必要になります。まず問診や視診、触診などの身体検査を行った後、全身状態を確認するために血液検査を行います。
そして検査の結果や症状に応じて、催吐処置や全身麻酔下での胃洗浄、皮膚の洗浄などの処置を行います。
これらの処置が必要ない場合には、薬や点滴で毒素を体から排出する治療を行います。

ただし、意識障害がある場合やすでに命に危険が及んでいるケースでは、検査を後回しにして、緊急の救命処置が優先されます。

 

まとめ

沖縄は豊かな自然に恵まれていますが、その分、ペットにとって危険な有毒植物も多く存在します。庭づくりや観葉植物を楽しむ際には、事前にその植物がペットに毒性がないかをしっかり確認しておくことが大切です。

しかし、どれだけ気をつけていても、完全に中毒を防ぐことは難しいこともあります。そのため、もし中毒の症状が見られたり、有毒植物に触れてしまったりした場合には、すぐに動物病院に相談して適切な対応を受けましょう

 

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