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沖縄は一年を通して高温多湿の亜熱帯気候にあり、さまざまな虫が発生します。
その中でも、犬や猫の健康に影響を及ぼす恐れのある虫が存在し、特に「蚊」や「蜂」には注意が必要です。
快適な暮らしを脅かす事態にもなりかねないため、正しい知識を身につけ、しっかりとした虫対策を行うことが大切です。
今回は、沖縄で愛犬・愛猫と安全に暮らすための虫対策について詳しく解説いたします。
■目次
1.沖縄で注意が必要な昆虫|犬や猫への影響が心配な「蚊」と「蜂」
2.蚊や蜂が犬や猫にもたらす健康リスクについて
3.犬や猫を蚊や蜂から守るための効果的な方法
4.緊急時の対応|蚊や蜂による被害が発生したら
5.おわりに
沖縄の亜熱帯気候では、年間を通して多くの虫が生息していますが、特に犬や猫の健康に悪影響を及ぼす「蚊」と「蜂」には注意が必要です。
沖縄での蚊の活動は、特に4月から11月にかけて盛んですが、環境によっては冬でも見られることがあります。そのため、1年を通して蚊対策を怠らないことが大切です。
蚊は水たまりや空き缶などの水が溜まる場所で発生し、草むらに身を潜めていることが多いです。
沖縄にはさまざまな種類の蚊がいますが、特に多く見られるのは以下の2種類です。
・ヒトスジシマカ(ヤブカ)
早朝〜夕方にかけて活動する蚊です。体長は4〜5mmほどと小さく、黒と白の縞模様が特徴です。
・アカイエカ
深夜を中心に活動する蚊です。体長は5.5mmほどでヒトスジシマカよりやや大きく、体は赤みがかった茶色をしています。
以下の2種類は特に危険性が高く、注意が必要です。
・アシナガバチ
日中に活動する蜂で、沖縄にはセグロアシナガバチとキアシナガバチが生息しています。活動期間は5月から8月で、庭や林の中に巣を作ることが多いです。
・スズメバチ
早朝に最も活発に活動し、国内で最も危険とされる蜂です。沖縄にはコガタスズメバチ、ツマグロスズメバチ、ヒメスズメバチの3種類が生息しており、特に沖縄本島のコガタスズメバチは5月から12月に活動します。
台風の影響もあり、地上に近い場所に巣を作ることが多いので、見かけた際は決して近づかず、駆除の専門家に相談することをおすすめします。
蚊と蜂は、それぞれ異なる形で犬や猫の健康に影響を及ぼす可能性があり、どちらも注意が必要です。
まず、蚊についてですが、蚊は犬や猫にとって感染の恐れがある病気を媒介します。その中でも特に注意が必要なのが「フィラリア症」です。
フィラリア症は、フィラリアという糸状の寄生虫が心臓や血管に寄生する病気で、初期には無症状で気づきにくいものの、進行すると咳や食欲不振、運動を嫌がるようになったり、呼吸が苦しそうになったりといった症状が現れます。
治療が遅れると命に関わることもあるため、早期発見と予防が重要です。フィラリア症は主に犬で見られる病気ですが、猫にも感染することがあります。沖縄は年間を通して蚊が多いため、フィラリアの感染率も比較的高いとされています。
一方、蜂に刺された場合は、犬や猫の体に腫れや痛み、アレルギー反応などが見られることがあります。
蜂刺されによるアレルギー反応として「アナフィラキシーショック」という強い反応が起こることもあり、これは短時間で全身の脱力や呼吸困難を引き起こし、緊急対応が必要な場合もあります。特に蜂が多くなる季節には注意が必要です。
沖縄で犬や猫を虫から守るには、いくつかの工夫が役立ちます。
・室内飼育と虫除け対策
まず、犬や猫を屋外で飼育している場合は、できる限り完全室内飼育に切り替えましょう。さらに、ペット用の蚊帳や虫除けスプレーを活用することで、家の中で虫に刺されないように工夫することが大切です。
ただし、人用の虫除けスプレーにはペットに有害な成分が含まれていることがあるため、必ずペット専用のものを使用しましょう。
・庭やベランダでの対策
庭やベランダがある場合は、蚊の発生を防ぐために水たまりをこまめに除去し、草刈りも行うようにしましょう。
また、外でお散歩する際は、草むらなど虫が多く生息している場所を避けることで、蚊や蜂に刺されるリスクを減らすことができます。
・フィラリア症の予防薬の使用
どんなに対策していても、完全に蚊を避けることは難しいため、万が一に備えてフィラリア症の予防薬を投与することが重要です。予防薬は、投与していれば高い予防効果を発揮しますので、忘れずに通年で続けましょう。ただし、投与を始める前には、フィラリア症に感染していないことを確認するための血液検査が必要です。予防薬は必ず動物病院で処方してもらいましょう。
・ 蜂の巣への対応
蜂については、家の敷地内に巣を見つけた場合は決して近づかず、刺激しないようにしましょう。もし巣ができてしまった場合は、専門の業者に早めに駆除を依頼するのが安心です。
通常、犬や猫が蚊に刺された場合、痒みを感じる程度で、時間が経てば自然に治まることがほとんどです。
もし痒がっているようなら、保冷剤をタオルで包んで患部を優しく冷やしてあげると痒みが緩和されることがあります。
ただし、たくさん刺されてしまったり、強い痒みが続いたり、体調に変化が見られる場合は、すぐに動物病院で診てもらうことが大切です。
もし犬や猫が蜂に刺されてしまったら、まず針が皮膚に残っていないか確認しましょう。もし針が残っている場合は、直接つままずに手や厚紙を使って針周辺の皮膚をそっとつまみ上げて取り除きます。その際、針が潰れないように慎重に行うことが大切です。針が潰れてしまうと、毒が体内に広がってしまう恐れがあるためです。
その後、傷口を清潔な流水で洗い、患部を冷やしながらすぐに動物病院に連れていきましょう。もし針を抜くのが難しそうな場合や不安があるときは、無理に抜こうとせず、そのまま動物病院で対処してもらうのが安心です。
沖縄は豊かな自然が広がる美しい島ですが、犬や猫と快適に暮らしていくためには、昆虫から守る対策も欠かせません。
自然を楽しみながらも愛犬や愛猫の健康を守るため、定期的な予防と万が一の際の迅速な対応が重要です。
特にフィラリア症は、予防薬をしっかりと投与することで高い予防効果が期待できる病気ですので、通年での投与を忘れずに行うようにしましょう。
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沖縄ペット情報サイト
<参考>
https://www.eiken.co.jp/uploads/modern_media/literature/MM1206_07.pdf
https://www.pref.okinawa.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/006/578/seibutuu38.pdf