沖縄移住を検討する獣医師必見!|収入・支出・生活費のリアルな実情

2025.06.17

温暖な気候や美しい自然に恵まれた沖縄に、スローライフへの憧れから移住を考えている獣医師の方も多いのではないでしょうか。
しかし、移住を成功させるためには、収入と支出のバランスをしっかり把握しておくことがとても大切です。

沖縄は全国的に見ると給与水準が低い一方で、物価は比較的高い傾向があります。そのため、事前に経済面の現実を知っておかないと、いざ移住してから「思ったより生活が厳しい……」と感じてしまうこともあるでしょう。

今回は、移住を考えている獣医師の皆様に向けて、沖縄での給与水準だけでなく、住居費や交通費、生活費といった日々の暮らしに必要な支出についてご紹介します。

■目次
1.沖縄の獣医師給与事情|全国平均と比べてみると?
2.沖縄の家賃相場は?
3.沖縄での生活費はいくら?
4.車がないと不便?沖縄生活で必要な交通費と維持費の目安
5.おわりに

 

沖縄の獣医師給与事情|全国平均と比べてみると?

沖縄への移住を考えるとき、収入面は重要なポイントです。沖縄は、全国の中でも給与水準がやや低い地域とされており、収入面に不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。

獣医師の給与については、全国の平均年収が約685.7万円であるのに対し、沖縄の平均年収は約643.6万円です。全国平均と比べるとやや低めではありますが、大きな開きがあるわけではありません。

また、動物病院によって給与や賞与・手当の有無、福利厚生の内容には違いがあります。勤務形態によっても待遇が異なるため、転職や就職を検討する際は、事前に詳細な条件を確認しておくと安心です。
経験を積み重ねることで専門性が高まり、給与も徐々に上がっていく可能性があります。着実にキャリアを築くことが、将来的な安定収入につながるでしょう。

 

沖縄の家賃相場は?

ワンルームや1Kといった1人暮らし向けの賃貸物件を探す場合、家賃相場はおおよそ月5万円前後となっています。那覇市内ではエリアによる違いが見られるものの、その差は最大で7,000円ほどと大きくありません。

那覇市新都心エリア|約64,400円
商業施設や公共機関が集まり、生活に便利なエリア。那覇市内ではやや家賃が高めですが、交通の便や治安の良さが評価されています。

 

西部エリア(泊・安里・壺川など)|約61,800円
モノレール沿線の駅が点在し、通勤・通学に便利な地域。生活に必要な施設も揃っており、利便性と落ち着きのバランスが取れたエリアです。

 

東部エリア(真嘉比・首里・識名など)|約58,800円
静かな住宅街が多く、落ち着いた暮らしを求める方におすすめ。ただし、首里エリアでは坂道や道路の狭さがネックになることもあります。

 

南部エリア(小禄・金城・宇栄原など)|約61,900円
空港へのアクセスが良く、ファミリーや単身者の両方に人気のエリア。駅近物件はやや高めですが、全体的には相場内で収まることが多いです。

 

那覇市内では、エリアごとの家賃差がそれほど大きくないため、「通勤距離」や「周辺環境」「アクセスのしやすさ」など、生活に直結する条件を重視して選ぶのがおすすめです。

また、動物病院など移住者を積極的に受け入れている職場では、住宅手当や引っ越し補助が用意されていることもあります。給与だけでなく、福利厚生の内容も含めて比較することが、安心して新生活を始めるポイントになります。

沖縄での物件探しのポイントについて詳しく知りたい方はこちら

 

沖縄での生活費はいくら?

沖縄での1か月の生活費は、次のようなイメージです。

・食費:約35,000円
・電気代:約10,000円
・ガス代:約4,000円
・水道料金:約3,500円

生活費全体としては、全国平均よりやや低めの傾向があります。しかし、エンゲル係数(家計における食費の割合)は高く、食費が生活費の中で大きな割合を占めています。
これは、沖縄が離島であることが大きく関係しています。輸送コストがかかるため、特に他県から運ばれる野菜や加工食品の価格が高くなりがちです。

また、他県と比べると冬場の暖房費やガス代は比較的低く抑えられます。暖房が必要な期間が短いため、冬の光熱費を抑えられるのは大きなメリットといえます。
一方で、夏はエアコンを使う時間が長くなりがちなので、電気代が高くなる点には注意が必要です。

 

車がないと不便?沖縄生活で必要な交通費と維持費の目安

沖縄には電車がなく、モノレールも那覇市内とその周辺の限られたエリアでしか運行していません。そのため、通勤や通院、夜間の緊急対応などを考えると、沖縄での生活には車が欠かせません。

沖縄では『1人1台』が当たり前といわれるほど車の保有率が高く、維持費が比較的安い軽自動車が特に人気です。
車の購入費用は、新車であれば100万〜300万円ほどですが、中古の軽自動車であれば100万円以下で購入できるものもあります。コストを抑えたい方は、状態の良い中古車を選ぶという方法もあります。

 

<軽自動車の維持費(年間約20万円)>
・駐車場代
・ガソリン代
・軽自動車税
・保険料(自賠責、任意)

これらに加えて、2年に1度の車検費用も忘れてはいけません。

 

おわりに

沖縄の物価はやや高めですが、獣医師の収入は全国平均と大きく変わらないため、暮らしの水準を保ちながら生活することが可能です。
ただし、移住の際には高額な引っ越し費用がかかる場合や、車を所有していない場合は、移住後に購入が必要となるケースも多く見られます。

そのため、転職活動を行う際には、住宅補助や引っ越し費用の補助といった福利厚生が充実しているかどうかをしっかり確認しておくことが大切です。

 

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<参考>
琉球新報(2025). https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1775817.html (2025年3月1日閲覧)
・沖縄銀行グループ(2023)「2023年 賃料動向調査報告書」https://www.okigin-ei.co.jp/file/rent/rent_2023.pdf (2025年3月1日閲覧)
・PPS‑Net(n.d.)「沖縄エリアの電気料金」PPS‑Net. https://pps‑net.org/energyprice/okinawa (2025年6月18日閲覧)
・沖縄県統計課(2023)「2023年 沖縄県平均気象(年平均値)」https://www.pref.okinawa.jp/toukeika/fiaes/2023/fi2023ave.pdf (2025年3月1日閲覧)
・厚生労働省(n.d.)「獣医師」しごと情報サイト. https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/223 (2025年3月1日閲覧)