沖縄の湿度が犬や猫の関節に与える影響とは?|ご家庭でできるケア方法

2025.06.19

沖縄は一年を通して湿度が高く、特に台風の時期には気圧の変化も大きくなります。
こうした気候条件は、犬や猫の関節に影響を与え、炎症や痛みの一因になることがあります。

特にシニア期では、年齢による変化と思われがちな行動が、実は関節の不調によるケースも見受けられます。

今回は、沖縄にお住まいの飼い主様に向けて、気候と関節の状態の関係、そしてご家庭で取り入れやすい予防やケアの方法についてご紹介します。

■目次
1.沖縄の湿度と気圧が、犬や猫の関節に与える影響とは?
2.関節の不調を示すサイン|見逃されやすい、日常の小さな変化
3.関節をサポートする食事と栄養
4.家庭でできる関節ケア|関節にやさしい暮らしの工夫
5.マッサージと温熱ケアを取り入れる
6.まとめ

 

沖縄の湿度と気圧が、犬や猫の関節に与える影響とは?

湿度の高い環境では体の水分代謝がうまくいかず、むくみやすくなる傾向があります。関節の中にも水分が含まれているため、湿度が上がることで関節まわりにむくみが生じ、腫れや痛みにつながることがあると考えられています。

また、沖縄では普段そこまで気圧の変化は大きくありませんが、台風の接近時には急激な気圧の低下が起こります。このとき、関節周囲の神経や組織が圧迫されたり、痛みや炎症を引き起こす「ヒスタミン」という物質が増えたりすることで、関節の違和感や痛みが強く出ることがあります。

特に、以下のような犬や猫は、関節にかかる負担が大きくなりやすいため注意が必要です。

・シニア期に入った犬や猫
・中型犬・大型犬など、体重のある犬種
・肥満傾向がある場合

こうした場合は、年齢や体型に合わせた関節ケアや体調管理を、日頃から心がけていくことが大切です。

 

関節の不調を示すサイン|見逃されやすい、日常の小さな変化

関節のトラブルは、突然強い痛みとしてあらわれることは少なく、日々の動きの中で少しずつ変化していくことが多いといわれています。
そのため、飼い主様にとっても「なんとなく、いつもと違うかも?」という違和感にとどまり、見逃してしまいやすい傾向があります。

以下のような様子が見られる場合は、関節に負担や不調が出ているサインかもしれません。

歩き方がいつもと違う
・足を引きずる
・ふらつく
・ジャンプを避けるようになる

 

動作がゆっくり、ぎこちなくなる
・起き上がる、横になる動きに時間がかかる
・動作の途中で止まってしまうことがある

 

階段や段差を嫌がる
・上り下りをためらう
・途中で立ち止まる

 

特定の動きを避ける
・座る、立ち上がる、足を伸ばすのを嫌がる
・動かずに同じ姿勢をとりたがる

 

体に触られるのを嫌がる
・関節まわりや足に触ると避ける
・触られた場所を気にして舐める、怒る

 

関節をサポートする食事と栄養

関節の健康を保つためには、日々の食事からしっかり栄養を摂ることも大切です。
ここでは、関節の動きをサポートする栄養素や、身近な食材についてご紹介します。

炎症を抑える「オメガ3脂肪酸」
オメガ3脂肪酸には、関節の炎症を抑え、痛みを和らげる働きがあるといわれています。

含まれる主な食材
・鮭、マグロ、イワシ
・カニや牡蠣などの魚介類
・魚油(サーモンオイルなど)
・亜麻仁油、エゴマ油

 

軟骨を支える「グルコサミン」
関節をなめらかに動かすには、軟骨の弾力が保たれていることが大切です。
グルコサミンは軟骨の主成分のひとつで、摩耗を防ぎ、関節の動きをサポートする栄養素として知られています。

含まれる主な食材
・カニやエビなどの甲殻類(特に殻の部分)

ただし、家庭で調理して摂取するには限界があり、摂取量が不十分になりがちな点には注意が必要です。

 

弾力を保つ「コンドロイチン」
グルコサミンと一緒に摂りたいのがコンドロイチンです。軟骨にうるおいを与え、関節の柔軟性を保つ働きがあります。

含まれる主な食材
・鶏皮、豚足(テビチ)、軟骨(牛・豚・鶏)
・納豆やオクラなど、ネバネバ系の食材
・カニやエビの殻

沖縄の家庭料理にも登場する食材が多く、日々のごはんにも取り入れやすい栄養素です。

 

<食材だけで補うのが難しい場合は?>
こうした毎日バランスよくこれらの栄養素を摂るのは、実際には難しいこともあります。
その場合は、オメガ3脂肪酸やグルコサミン、コンドロイチンが配合されたペット用のサプリメントを取り入れるのも一つの方法です。

また、サプリメントはお薬ではありませんが、与えすぎると体調を崩すこともあるため、使い始める前にかかりつけの動物病院で相談することをおすすめします。

 

家庭でできる関節ケア|関節にやさしい暮らしの工夫

関節の健康を保つには栄養や運動だけでなく、毎日を過ごす環境づくりや生活習慣の見直しも大切です。

湿度を調整して関節への負担を軽減する
室内の湿度は、年間を通して60%以下を目安に保つのが理想です。
梅雨や台風の時期は湿度が80%を超えることもあり、関節がむくみやすく、痛みが出やすくなるといわれています。

除湿機やエアコン、サーキュレーターを活用し、室温と湿度を快適な状態に保つように心がけましょう。

 

適度な運動で関節の柔軟性を保つ
適度な運動は、筋力の維持や関節の血流改善につながり、関節の健康維持に役立ちます。

ただし、気温や湿度が高い日、気圧が大きく変動している日は注意が必要です。
そういった日は運動量を控えめにし、階段の上り下りやジャンプなどの負担がかかる動きは避けるようにしましょう。

 

床の滑りを防いで足元の安定性を高める
フローリングやコンクリートの床は滑りやすく、関節への負担が大きくなります。
カーペットや滑り止めマットを敷いて足元の安定性を高めるのがおすすめです。

 

食器の高さを整えて姿勢の負担を減らす
床に置いたままの食器で食事をすると、首や腰を大きく曲げる必要があり、関節や背中に負担がかかります。

自然な姿勢で食べたり飲んだりできるよう、顔の高さに合わせた食器台の使用を検討してみましょう。

 

段差を工夫して移動時の関節負担を和らげる
階段やソファなどの上り下りは、特にシニアや体重のある犬・猫にとって大きな負担になります。
なるべく段差のある場所を減らし、必要な場所にはスロープやステップを設置することで、関節への負担を和らげることができます。

 

マッサージと温熱ケアを取り入れる

関節ケアは、特別な道具がなくても、日々のふれあいの中でできることから始められます。
やさしく撫でるようなマッサージは、血流を促し、関節や筋肉のこわばりを和らげる助けになります。

 

<マッサージの基本ステップ>
無理のない範囲で、犬や猫がリラックスできるタイミングに行いましょう。

1.手のひら全体で、首からおしりに向かって背中をやさしく撫でる(10回ほど)

2.首の付け根から前足の先へ向けて、手のひらでやさしく撫でる

3.同じ部分を親指の腹で円を描くようにマッサージ

4.足の裏を軽く指圧

5.足先から首の付け根に向かって、親指の腹で円を描くようにマッサージする

6.後ろ足も同様に、付け根から先へ、円を描くようにゆっくりマッサージ

7.アキレス腱の付け根もやさしく指圧して血流を促す

関節にすでに炎症や強い痛みがある場合、マッサージがかえって悪化の原因になることもあります。
気になる症状があるときは、事前に動物病院で状態を診てもらい「マッサージしても問題ないかどうか」を確認しておくと安心です。

 

<温めるケア(温熱療法)の取り入れ方>
痛みやこわばりがあるときは、マッサージよりも温めるケア(温熱療法)が向いていることもあります。
温めたタオルやホットパックをタオルで包み、関節まわりにそっとあててあげましょう。血流がよくなり、筋肉の緊張がほぐれて、関節の痛みを和らげるサポートになります。

 

まとめ

沖縄のような高湿度の気候や、台風による気圧の変化は、犬や猫の関節にとって見えない負担になることがあります。
そのため、室内の湿度管理や段差を減らす工夫、関節を支える栄養素やサプリメントの活用など、日常の中でできる小さな対策を積み重ねていくことが大切です。

ただし、ご家庭で工夫をしていても、痛みが続いている様子があるときや、歩き方に明らかな違和感があるときには、様子を見ず、早めに動物病院で診てもらうことをおすすめします。

 

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