暑さで犬や猫がごはんを食べない?|夏に増える食欲不振と、ご家庭でできる対策

2025.06.19

沖縄は、日本で唯一の亜熱帯気候に属しており、年間を通して気温も湿度も高いのが特徴です。
とくに平均気温は24.4℃、冬でも湿度が70%近くあるため、人にとってはもちろん、犬や猫にとっても体にかかる負担は少なくありません。

蒸し暑い環境では、体温調整に多くのエネルギーを使う一方で、胃腸の働きが落ちやすくなるため、食欲が落ちたり、体調をくずしたりすることがあります。

今回は、沖縄にお住まいの飼い主様に向けて、気候が関係する食欲不振の背景と、ご家庭で取り入れやすい対策や工夫についてご紹介します。

■目次
1.沖縄の暑さが、犬や猫の「食欲」に影響する理由とは?
2.食欲不振のサイン|気をつけてあげたい小さな変化
3.食欲がないときの栄養補給|暑い季節を乗り切るための工夫
4.まとめ|いつでも相談できる動物病院を見つけておきましょう

 

沖縄の暑さが、犬や猫の「食欲」に影響する理由とは?

人は暑いときに汗をかいて体温を下げますが、犬や猫は私たちのように全身から汗をかくことができません。
犬は、わずかにある肉球の汗腺に加え、舌を出してハァハァと呼吸(パンティング)することで熱を逃がそうとします
一方で猫は、グルーミング(毛づくろい)によって唾液を体に広げ、それが蒸発することで体温を調整しているといわれています。

しかし、沖縄のように気温も湿度も高い環境では、この体温調整がうまく機能しません。
体の中に熱がこもると、体温を保つために余分なエネルギーを消費し、胃腸の働きも落ちやすくなるため、夏場に食欲が低下する犬や猫が多く見られます。

沖縄は暑さが長期間続くため、犬や猫の体にかかる負担が慢性化しやすく、「食欲の低下」として現れることもあります。

食べる量が減ってしまうと、必要な栄養が摂れずに体力が落ちるだけでなく、暑さによる脱水や熱中症のリスクも高まります
そのため、「たまたま食べない日が続いているのかな」と見過ごさず、少しでも気になる様子があればすぐに対策をとるようにしましょう。

熱中症予防のケアについてはこちら

 

食欲不振のサイン|気をつけてあげたい小さな変化

犬や猫の「食欲がない」という状態は、明確な症状というよりも、多くの場合日常のちょっとした変化として表れます。
以下のような様子が見られる場合、暑さによる食欲低下のサインかもしれません。

・食べる量がいつもより少ない
・水を飲む量も減っている
・食事にあまり興味を示さなくなった
・朝や夜の涼しい時間は食べるのに、日中はほとんど口をつけない
・好き嫌いが増えて、特定のフードしか食べない

これらの変化に加えて、元気がない・寝ている時間が増えた・下痢や嘔吐が見られるといった場合は、単なる夏バテではなく、何らかの体調不良が隠れている可能性もあります。
こうした状態が2〜3日続くようであれば、なるべく早めに動物病院へ相談してみることをおすすめします。

 

食欲がないときの栄養補給|暑い季節を乗り切るための工夫

沖縄のように気温と湿度が高い地域では、水分不足から熱中症につながるリスクが高まります。とくに、食欲が落ちているときは、食事からも水分や栄養をしっかりと補えるような工夫が大切です。

水分も摂れるごはんで食欲をサポート
食欲がないときは、スープ仕立てのごはんやパウチ、缶詰タイプのウェットフードなど、水分を多く含むものを取り入れてみましょう。
ドライフードを与えている場合は、ぬるま湯でふやかすことで食べやすくなり、水分補給にもつながります。

 

香りの工夫で食欲を引き出す
犬や猫は、香りに反応して食欲が刺激されることがあります。フードを軽く温めて香りを立たせるのも効果的です。

ドライフードなら電子レンジで10秒ほど、パウチや缶詰なら20秒ほど温めて、熱すぎない温度に冷ましてから与えましょう。

 

栄養補助食品を取り入れてサポート
それでも食べてくれない場合は、市販の栄養補助食品を取り入れる方法もあります。
ペースト状のものや、嗜好性が高いタイプなど、体調や好みに合わせて選ぶとよいでしょう。

 

無理に食べさせるのはNG
食べないからといって無理に食べさせようとするのは避けましょう。
数日食欲が戻らない場合や元気がない場合は、早めに動物病院へ相談することをおすすめします。

 

人の食べ物には注意
「食いつきがよいから」と、人間用の食べ物を与えるのは避けましょう。犬や猫にとっては、塩分や調味料、食材そのものが体に負担となることや、中毒を引き起こすものもあるため危険です。

 

まとめ|いつでも相談できる動物病院を見つけておきましょう

高温多湿な沖縄の気候では、体温調整にエネルギーが使われやすく、その結果、胃腸の働きが落ち、食欲に影響することがあります。とくに暑い季節は、毎日の食事や水分の摂取量に気を配ることが大切です。

いろいろと工夫をしても食欲が戻らない場合は、体の中に何らかの不調が隠れている可能性も考えられます。
そうしたときに備えて、日頃から相談しやすい動物病院を見つけておくことも大切です。

暑さが続く季節だからこそ、「少し変だな」と感じたときの早めの対応が、犬や猫の健康を守ることにつながります。

 

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