トリミングサロン徹底取材!犬の気持ちを一番に考える「犬の美容室 ウィンディ」が信頼される理由

2019.09.20

入った瞬間、すごくいい匂いがする。そんな印象だったのは恩納村にあるトリミングサロン「犬の美容室 ウィンディ(Windy)」(以下ウィンディ)。石川ICを降りて約8分の場所にあります。

ここではトリミング・ペットホテル・ペット一時預かりを行っており、フードやシャンプーの販売も実施しています。

ウィンディを経営するのは、動物大国であるオーストラリアに住み、そこで学んだ知識と経験を沖縄に取り入れた「仲本 香織(なかもと かおり)」さん。今回は、お店のこだわりや、ウィンディが掲げる『犬の本来あるべき姿』について、お話を伺ってきました。

 

“ローストレスな共存をサポートする” をモットーに、犬の本来あるべき姿を引き出すお手伝いを

豊かな自然に囲まれた恩納村の一角に佇むウィンディ。駐車場に車を停め、店内に入ると各所から太陽の光と風が差し込む、清々しい空間が広がっていました。

犬のために1から設計建築を行ったというウィンディは、常に新鮮な風が部屋の中に入るようつくられています。匂いや湿気がこもらないよう配慮されており、入った瞬間シャンプーの香りが漂う、清潔感溢れる空間となっていました。

店内に入ってすぐ出迎えてくれたのは、ウィンディの看板犬であるパグの「チャーシュー」君。

一番人気のチャーシュー君は、ここに訪れたときは現在の2倍ほどの体重だったのだそう。現在はいい具合の小太り犬として、お客さんから愛されています。

愛嬌があり、とても人懐っこいチャーシュー君ですが、貰い手が見つかり、お試しで泊まってみると必ず戻ってくるのだそう。「ここではとってもいい子なのに、人様のお家で何をやってるんだろうね~」と仲本さんは笑っていました。

店内に入って右に進むとトリミングルームがあり、仲本さんがオーストラリアで出会ったという「矢島 由美子(やじま ゆみこ)」さんがトリミングを行っていました。

ウィンディでは、トリミングを始める前と終わった後、心を落ち着かせる時間を持たせる「スロートリミング」を取り入れているのだそう。

トリミングの時間を長くかけるのではなく、トリミング前後にリラックスの時間を持たせることにより、抵抗感がなくなりストレスの軽減になるのだと言います。

仲本さん「トリミングはいかに習慣化するかが大事です。そのためには、トリミング自体の時間はなるべく削り、犬の負担を減らしてあげることが重要だということをオーストラリアで学びました。最新の機械や技術でトリミングを素早く行い、トリミング前後のリラックスタイムに時間をかけることで、犬にとって『トリミングは負担』という感覚を軽減していきたいと思っています。」


(トリミング中のワンちゃんは、とてもリラックスした表情)

また、トリミングに使用する商材にもこだわりが。天然素材のティーツリーシャンプーと、ミネラルシャンプーをベースとし、たんぱく質を壊さないものを使用。

頑固な汚れは犬用クレンジングオイル、クレンジングシャンプーを使用し、トリートメントはスタイリングによって4種類からチョイス。お風呂上がりの保湿にはミネラルのミストを使用し、耳が汚れている場合は綿棒で掻きだすのではなく、耳洗浄で汚れを外に追い出します。耳掃除の仕上げには、バイオトロール(マラセチア菌に有効な犬用除菌液)で丁寧に拭き上げているのだそう。

オプションでは、ナノマイクロバブルバス、EX炭酸泉も受けることができます。ここで使用しているシャンプーは購入も可能。

実は仲本さんは、ご自身の髪の毛もこちらで洗っているのだそうです。シャンプーやトリートメントの他にも、マヌカハニーや無添加にこだわったペットフードなど、仲本さんが「いいな」と思ったものだけを販売するのも、こだわりのひとつ。



物販の隣には、ペットホテルとして使用するゲージが。

お店全体をお泊りに使用するウィンディでは、マイベッドの持ち込みも可能。快適な寝床を犬に選ばせてあげるのも特徴のひとつです。相性の良い犬は隣同士で寝かせたりと、犬の気持ちを一番に考えるのがウィンディスタイル。

湿度・温度は常に快適になるよう調節し、還元水をアニマルウォーターにかけたものを飲み水として使用。閉店後も夜23時・朝7時にトイレ出しを行うなど、快適な環境をつくりあげています。お泊り最終日にトリミングの予約をすると、綺麗になって帰宅できるのでおすすめです。

また、シニア犬の対応にも力を注いでいます。仲本さんは「犬は最後まで人に触ってもらい、声をかけてもらいたい。そんな風に思っているはずです。」と話します。

犬のクオリティーオブライフを考えると、清潔に保つこと、他の犬や人と触れ合うことはどんなに年を取っても必要なこと。犬の介護は飼い主さん1人で抱え込まないで欲しいと仲本さんは語りました。


[庭でお散歩を楽しむウィンディCEOの“たんぽぽ”ちゃん]

シニア犬だけでなく、ダイエットや皮膚の改善など、健康面で悩んでいる飼い主さんのための短期・長期ステイでのケア合宿も行っています。

 

オーストラリアでの経験を活かし、ウィンディを経営する「仲本 香織(なかもと かおり)」さんにインタビュー!

ー犬の美容室をやろうと思ったきっかけはなんですか?

仲本さん「私は元々ペットの看護師だったんですけど、10年くらいやって、ペット業界から一度離れてみようとコールセンターなどで仕事をしていました。そんなとき、この物件が空いているという話をもらい、何をしようかと考えた時、トリミングサロンを開きたいと思いました。昔犬を飼っていたんですが、亡くなった時に綺麗にしてあげて看取ったんですけど、それが“良かったな”と思ったことがきっかけでした。」

看護師経験もあった仲本さんは、トリミングサロンはすぐにできると思ったと言います。しかし実際に学び始めると、思っていたより難しく、その時に”トリミングをやるなら本気でやらないといけない”と思い、学校へ行きながらトリマーとして働いたのだそう。その後、オーストラリアに飛び、3か月間デイケアとトリミングを学んだと話します。

仲本さん「オーストラリアに行ったときに、考え方が好きだと感じました。日本ではまだまだ、犬=ファッションの感覚で飼う人が多く、過保護にしてしまう飼い主さんが多いんですが、オーストラリアでは犬の自立心を大事にします。外部との接触を遮断したり犬と人の触れ合いがない、構いすぎるというのは犬にとってストレスになります。オーストラリアでは、街のいたるところで犬と人が適度な距離感で過ごしていたのを見て『こういうことだよなぁ』と感じました。」

ーオーストラリアでの経験は、ウィンディにどのような形で反映されていますか?

仲本さん「オーストラリアはとにかくスピード重視なんです。道具を駆使してとてもスピーディーにトリミングするのがオーストラリア流。犬への負担を考えると早くやってあげるというのはとても必要なことなのですが、そのまま日本に持ってきても受け入れられないと思ったので、スピードに+日本の丁寧さをミックスさせたのがウィンディなんです。」

ーどんなお店にしていきたいと思っていますか?

仲本さん「ウィンディはコンセプトとして『Dogs will paint your heart colorful』を掲げています。まず飼い主さんに、出会ったときの愛犬は何色だった?というところから始まり、楽しいことや辛いこと、一緒に過ごしていく上で変化する色を見ながら、色を添えていくお手伝いをさせてください、という意味を込めています。来てくれた犬に一生関わっていく、そんな存在になりたいと思います。」

ー飼い主さんとも深く寄り添うお仕事なんですね。お客さんはどんな方が多いですか?

仲本さん「そうですね。最初の頃はトリミング自体の認知度が低く、犬を美容室に連れてくる習慣がなかったために毛玉だらけ、ノミダニだらけの犬が多く、大変でした。今は犬の知識もあり、責任もしっかり取れる良い飼い主さんばかりが集まるようになりました。幸せそうな犬ばかり来るようになって嬉しいです。」

若いころから通っている愛犬のお泊り、トリミング、デイケアと、一生を通して利用できる場所。ウィンディでは13歳以上の新規の受入れを行っておらず、持病があったりトリミングに慣れていないシニアには大きなストレスになるため、受けることが難しい場合もあるのだそうです。

そうならないためにも、若いころから慣れさせ、健康管理をしていくことが大事なのだと話してくれました。

ウィンディにはファンも多く、実は、この日トリミングを受けていたビション・フリーゼの「ルーク」君は、犬のドッグショー世界大会である「FCIインターナショナルビューティーチャンピオン」のチャンピオン犬。

「FCIインターナショナルビューティーチャンピオン」は、犬種本来の美しさを評価するという展覧会。ひとつキャッシブを持っているだけですごいと言われる賞を、ルーク君は4枚も持っているのだそう。

そんなルーク君の飼い主である植木さんに、ウィンディの魅力についてお話を伺いました。

植木さん「沖縄のサロンはここしか利用しません。まずペットカットとショーカットは違うんですが、東京でも数名しかいないくらい、技術が必要なんです。矢島さんはトリミングがとても上手でショーカットもできるので、信頼して預けることができるんです。仲本さんのペットに対する気持ちや考え方、介護の知識に関してもとても素晴らしいと思っています。知識と技術、そして心もある。本当に素敵な場所なんですよ。」

カットひとつで1位、2位が変わってしまうほど、ショーカットは技術が必要なのだそう。技術面でも安心でき、お店の方針や考え方にも共感できるポイントが多いのだと話してくれました。

犬の気持ちに寄り添い、一生関わっていきたいと覚悟を持って接客をするウィンディスタイルに、リピーターが多い理由が分かったような気がしました。

フレンドリーで開放感のある空間、ふわっと漂うシャンプーの香りに包まれるウィンディに、愛犬を連れて、足を運んでみてはいかがでしょう。

 

◆犬の美容室 ウィンディ

所在地:沖縄県恩納村字山田125-3
営業時間:9時30分~18時30分
電話番号:098-965-7225
定休日:火曜日、第2・第3水曜日
駐車場:あり(3台)
支払方法:クレジットカード可(JCB、AMEX、MASTER)
公式サイト:http://windy-dog.com/